天狗秋紀行 表紙について

2019年11月17日「第百三十四季 文々。新聞友の会」にサークル参加しまして
そのとき出品した同人誌「天狗秋紀行」の表紙についてのちょっとした語りです。
作品解説というわけでないのでネタ程度にご覧ください。

↓こちらが表紙


●メインの絵について
 こちらは水彩絵の具を使用して描きました。
 ウィンザー&ニュートンという発色の良く綺麗に色が出せる特徴の良い絵具です。

 背景は↓の画像を参考にしました。
https://jp.depositphotos.com/188801444.html
 最初は「紅葉 山」とかでググって参考してましたが解像度の高い画像は有料でないとなかなか手に入りませんね。画質の良さもありますが有料だと利用規約も明確なので安心して使用できるのもメリットかと思います。

 本題の絵についてですが秋の寂れた感じの色を表現するために全体的に水多めに薄く何度か重ね塗りさせてなじませてます。


 一部拡大するとこんな感じ。色が塗ってある部分に湿ったティッシュや綿棒でこすると紙や下地の色や表れほわっとしたタッチが表現できます。元々ミスしたときの修正のテクニックとして使ってましたが今回はあえて多用してみました。
 ただし、湿って弱くなった紙をこすることになるので紙へのダメージはでかいです。


やりすぎるとこんな感じで紙のカスがのっかかります。自分の知見内では対策方もなく、こするときの綿棒の水具合やこすりの強さを微妙に調整して紙を痛めないようにするくらいです。
 溝引き棒という先端が球状の筆で用紙を均すようにつぶしてみましたがこれはおまじない程度の効果でしょう…(そもそも溝引き棒が定規に沿わせて直線を引くツールのようです

●題字裏について
 こちらも水彩で描いてます。

 元はこんな感じ。抽象的に秋っぽい色合いや草や紅葉の輪郭をイメージ…


 これを画像処理して(photoscapeの水彩風というフィルタ)
  彩度を下げる。

●題字について
 これも手書きです。元はスケッチブックに太字の筆ペンで書きました。


 これが原画(?)選ばれたのは右上の最下段でした。
 見ての通り手習いとは程遠くひたすらトライ&エラーを繰り返しました。誰かに頼めばよかった…
 ちなみに秋の字ののぎへん「禾」ではなく「夭」となっているのは、初版の方の誤字でして読者の方から指摘をうけて気づいたものの妖しい感じもあって気に入ったので継続して使ってます。指摘してくれた方、ありがとうございます!

 この字を取り込んで模様をつけました。これも実は他から画像をひっぱってます。
https://jp.depositphotos.com/7612028.html


 よーく見ると何となく葉っぱが見えてくるはずです…

コメント

  1. こういう制作裏の話は面白いです。
    やっぱり印刷代だけじゃなくて資料とか良い画材とか色々コストが掛かってるんですねぇ…
    紙を擦るテクニックはなんだか美術というより工作って感じの印象を受けます。

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  2. コストかけるかどうかは任意だと思います。
    安価な画材で描かれても綺麗な水彩絵もたくさんありますし、フリー素材でも良質なものが転がってますので…安かろう悪かろうの宣伝に踊らされてる感は否めません。
    絵の具は長い歴史もあるので先人の知恵を色々参考にしています。。

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